土地を買いたい

土地探しのコツ

土地探しの5ステップ

押さえておきたい土地探しの流れ

 家づくりにおける資金計画や、設計プランに大きく関わる「土地」。まずは、土地探しから家を建てるまでの流れを知っておくと安心です。
 はじめての家づくりで、しかも土地探しからとなると、不安もいっぱいです。不動産屋さんに行くにも勇気がいりますね。中に入ってしまうと、契約しない限り帰れないのではないかと心配される方も多いかもしれません。
 でも心配はご無用です。不動産情報は個人でも情報収集しやすくなってきています。
 今、売りに出されている土地の物件情報を収集するには、色々な方法があります。不動産仲介会社、住宅情報誌などの雑誌、広告(看板や新聞・折り込みチラシなど)、インターネットから情報を入手することができます。また、希望のエリアが決まっているなら、そのエリアをドライブや散歩してみると、「売り出し中」の看板を見つけることもあります。
 個人で情報収集をしながら、不動産仲介会社にも並行して依頼するのも一つの手です。不動産仲介会社には、建売や賃貸などの得意分野がそれぞれありますので、売買の仲介が専門の会社に依頼するのが鉄則です。売主が直接持ち込む物件や、新たな物件など、情報も多く持っているもの特徴です。

1.情報収集

情報誌や広告などをチェック

2.敷地調査

建ぺい率などの法律規制と地盤、周辺環境をチェック

3.資金計画

金額と調達方法をプランニング

4.契約

契約内容と重要説明事項をしっかり確認

5.登記

所有権移転登記を終え、自分の土地に

住宅資金計画や、設計プランに大きく関わる「土地」。まずは、「土地探し」から家を建てるまでの流れを知っておくと安心です。

土地の価値を知ろう①

地価公示価格を目安にする

 地価といわれている土地の値段には、地域ごとに相場があります。相場は多数の要因で形成されています。都市部なのか郊外なのか、また鉄道沿線の状況、都心部からの距離、住環境、最寄駅からの距離や利便性など。こうした地価の相場は地元の不動産会社などに問い合わせると教えてはもらえますが、環境や経済の変化などで随時変動します。
 また、不動産会社の意図により、価格が提示されるため必ずしも正確な情報が得られるわけではありません。わかりにくい土地取引の適正な指標となるのが地価公示価格です。
 毎年1月1日現在の正当な地価を判定し、毎年3月下旬に国土交通省から発表されています。この公示価格を知ることで現在の相場をつかむことができます。ただし、土地の価格は常に様々な要因で変化しますので、公示価格はあくまで目安と考えておくのがいいでしょう。

実勢価格(取引価格)

実際の取引価格の時価で、取引相場を形成している価格です。「路線価÷0.8」もしくは、「固定資産税評価額÷0.7」程度とされています。

公示価格

国土交通省が実施する公的指標で1月1日現在の土地の価格。国土交通省ホームページや図書館などで閲覧できます。

路線価(相続税評価額)

財務省が発表する相続税評価額の基準額で1月1日現在の価格。税務署や図書館などで閲覧できます。

固定資産税評価額

固定資産税評価額の基準で3年に1度評価が見直され、市町村から発表されます。市町村役所などで閲覧できます。

土地の価値を知ろう②

道路によって価格は変わる

 土地の金額の目安をつかむ方法として、「相続税の路線価」というものがあります。
 相続税の路線価とは、相続税や贈与税などの課税のために、路線ごとに国税局長が決定した土地の「単価」のことです。公示価格のおおむね80%を目安に設定されています。相続税の路線価は、相続税などの課税上、この単価を基準に土地に評価を行います。
 また、相続税の路線価は、土地が接する道路の単価がそのまま反映されているため、道路ごとの微妙な差も単価に表れます。
 相続税の路線価は、国税庁のホームページで調べることができます。ただし、ここで注意したいのは「安い土地」には何かしらの欠点がある可能性もあります。欠点を見逃さないためにも、価格だけで土地を決めるのは避けましょう。

様々な条件からも変動するものなのです

 公示価格は、更地での状態の価格です。利便性などの周辺環境や、売買の当事者の事情と使用目的によっても変わってきます。また、土地に現在建物が建っている場合も価格は変わります。土地につけられている「一物四価」という4種類の価格は、国土交通省のホームページや、税務署、市町村役場、図書館などで閲覧することができます。

ロケーションの良い土地を優先したばかりに、土地代にコストがかさんでしまい建築費用を削らなければならない、というようなことにもなりかねません。上手な土地の探し方は、最初に「予算を決める」ことが大切です。予算からもロケーションを絞り込むことができます。そして、自分のコンセプト(広さ、周辺環境、利便性など)の優先順位を明確にすることです。

知っておきたい土地の知識

家を建てられる土地

 空き地があるからといってどこにでも家を建てることができるわけではありません。
 住宅が建てられる区域は、建物の用途や規模などを規制した「用途地域」の指定がされています。まずは、土地がどの用途地域に指定されていて、どんな住宅が建てられるのか確認することが必要です。
 また、その土地に家を建てられるかどうかは、都市計画法に基づいても定められています。都市計画が定められているのは、全国の約4分の1の地域。この「都市計画区域」は「市街化区域」と「市街化調整区域」の2つに分かれており、「市街化区域」は原則として家は建てられますが、「市街化調整区域」は、一般の住宅の建築や宅地造成などの開発も行うことができません。
 ただし、全てというわけではなく、それぞれの自治体による条例や、建築基準法に基づく建築協定などが影響する土地もあります。
 また、開発許可を受けている場合や、すでに建物が建っている敷地では例外的に家が建てられる場合もあります。

新築と道路の関係性

 家を建てる際には、住宅が道路に接している必要があります。これを「接道義務」といいます。
 都市計画区域内の土地では、幅4m以上の道路に2m以上接していなければ、建築物の敷地として認められません。
 しかし、実際の道路の幅員(幅)は、4m未満の所も多くあります。そこで建築基準法では、幅員4m未満の道路でも、特定行政庁(市町村長または都道府県知事)が指定したものについては、建築基準法上の道路として扱うことにしています。「2項道路」と呼ばれるもので、「2項道路」に面する敷地に住宅を建てる場合には、道路の中心から2m後退した場所(線)を道路と敷地の境界線として取り扱うことが原則になっています。
 つまり、自分の敷地でも、道路中心線から2m以内の部分は敷地面積に入れずに、建ぺい率や容積率の計算を行うことになります。これを「敷地のセットバック」といいます。「2項道路」以外にも、周辺状況によって敷地の境界線が変わる場合もありますので確認が必要です。

良い土地と悪い土地の見分け方

 造成地などでは、「○○ヶ丘」などと、おしゃれな地名が多く見られますが、造成地以外などでは、古くから使われている地名が多く残っています。その地名からも土地の良し悪しを見分ける方法があります。
 例えば「谷」や「沢」「吉田(”吉”をつけて湿地を隠した地名など)」というような低湿地を表す地名の多くは、歴史的に見ても河川の氾濫地域だった可能性があります。
 住環境面から、日当たりや眺望を望むのなら、近隣地の環境をまず、目で確認をします。朝、昼、夜それぞれの時間帯で確認することも大切です。四季を通じた土地の様子がわかれば尚良いです。
 土地周辺の状況にも確認が必要です。例えば、近くに駐車場や空き地がある場合は注意が必要かもしれません。今は空き地でも、将来、日当たりや眺望を遮るような建物が建つ可能性もあるからです。他には、公園などの将来、変わる可能性の少ない隣地を選ぶのも一つの手です。どんなものが建つ可能性があるのかを予測して買うことが大切になってきます。
 また、12種類ある用途地域を確認しておくことで、将来建つ可能性のある建物を知ることができます。

お金のかかる土地とかからない土地

条件の悪い土地

 予算に合わせて土地を購入する場合、少しでも安い土地に目がいってしまいがちです。ここで注意が必要なのは、安い土地には必ず理由があるという事です。
 例えば、道路に接する部分のない敷地「袋地」は、注意が必要かもしれません。袋地敷地の所有者は、道路の出る際に他の敷地を通らなくてはならなくなります。道路との間の隣地の一部を進行する権利「囲繞地(いにようち)通行権」を持っていますので、出入りすることに問題はありません。しかし、これは袋地にとっての必要最低限の通行を確保するための権利でしかないことも覚えておきましょう。
 また、路地状部分だけで道路に接している「旗竿敷地」。竿に旗をつけたような形状の土地のことです。具体的には、「竿」の部分が通路となり、その奥に住宅の建つ敷地のことです。奥側にあるので、静かな環境という長所もありますが、路地状部分の形状や長さによっては駐車場を確保できないなど、有効なスペースが取りにくくなる可能性があります。ただし、条件の悪い土地でもデメリットばかりではありません。土地が安価な分、建築費に予算をかけられますし、設計の工夫で快適な家はいくらでも建設可能です。あなたにとってのメリットをしっかり見極めておきましょう。

土地には、土地代金の他に、建築費がかさむ土地があります。
建築費がかさむ土地には、
①宅地として整備されていない
②地盤が弱い
③道路と敷地の高低差が1.5m以上ある
④古い擁壁がある
⑤古い建物付
⑥準防火地域
⑦接道の幅員が狭い
などがあります。
土地の購入前にわかることですので、しっかりチェックしたいものです。

周辺環境を知る

周辺環境の調べ方

 土地選びは、その土地が気に入るかどうかが一番大切ですが、実際に購入する前には、周辺を歩いてまわって、周辺環境を直接目で確かめる必要があります。それも、一度ではなく、曜日や時間帯を変えて何度か現地を観察し、周辺環境を細かく確認するようにしましょう。
 確認する周辺環境の主な要素としては、日当たりや騒音などの住環境はもちろん、交通利便性、生活利便性・インフラ、地域の将来性、教育環境、行政サービスなどです。
 また、通勤、通学経路を実際の時間帯に体験したり、役所に出向いて行政サービス内容を確かめるといった作業も事前に行うと良いでしょう。

近隣とのトラブルについて

 長く住む土地ですから隣近所とは仲良く付き合いたいものです。しかし、万が一トラブルが発生して近隣と交渉する際には、「相隣関係規定」という民法上の法律があります。これは、隣の土地の利用に大きな害を及ぼす使い方を制限する規定と、起こりやすいトラブルを調整するために規定です。
 内容として「隣地使用権」「囲繞地通行券」「水流に関する権利」「囲障境界設置権」「竹木切除権」「境界線隣接地帯に関する権利」などがあります。

決まり事は全て書面化してもらおう!

 土地を探す時には念入りにチェックしたものの、肝心の契約内容の確認を怠り、「こんなはずではなかった」と後悔しないようにしたいものです。「契約」時にもチェックしておきたい点がいくつかあります。
 契約書は仲介会社が用意してきますが、購入代金の支払い方法など契約内容の変更も可能です。契約書に書いていないことは「ないこと」と同じ、口契約はしないで、必ず書面化してもらいます。トラブル回避のためにも、購入決定に欠かせない条件などは、どんなに細かいことでも契約書や重要事項説明書に明記しておきましょう。
 契約の前には、不動産仲介会社の宅地建物取引主任者から、重要事項の説明が行われます。わかりにくい用語も出てくる場合がありますので、わからない点はその場で確認します。それでも不明点がある場合は、契約日を改めるなどして、納得がいくまで確認することが重要です。
 十分に納得した上で売買契約を結びましょう。

漫画でわかる土地探しのコツ

土地探しのコツのマンガ
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現地見学のチェックポイントのチェックシート
土地購入候補を絞り込む場合の比較ポイントチェックシート